犬の口臭ケアだけでは限りがある
犬の口臭の原因はほとんどの場合歯に蓄積された【歯石】が原因です。放置しておくと【歯周病】の恐れがあります。
実際、3年以上家で飼われているペットの内、約8割が歯周病、または歯周病予備軍と言われています。もちろん、人間のように毎日歯磨きをしていれば歯石が溜まったり、それが原因で歯周病になることはありません。
ではなぜ【歯周病】になるのか。
飼い主様が愛犬の歯磨きを行っていないからです。その結果3年の月日を経て【歯周病】が進行して行くのです。
小さい頃から歯磨きをしている犬とそうでない犬とでは寿命が違います。歯磨きをしない。または、歯周病を放置した犬は老犬になった際の病気率が非常に高くなります。
犬の口臭ケアだけでは×!
犬の口臭ケアとなると、【家で歯石除去】【無麻酔歯石除去】をすることにより愛犬の歯にこびり付いた歯石をきれいに落とすことで、口臭を軽減する方法があります。
しかし!
それだけでは残念ながら【愛犬のためには全くなりません】なぜなら、歯石をきれいに落としても歯茎の中に潜む【歯周病菌】は退治できないからです。
【歯石除去】の闇はここにあります。
歯石除去で見た目はきれいになっても歯肉の内側に潜む歯周病菌は悪さを続けます。そして最終的には歯茎の中から外側に向けて細胞や骨を溶かしていきます。
それだけではありません!歯肉内側に潜む【歯周病菌】、歯についた【歯石】は愛犬の体内に有害物質を常に送り続けます。そして最終的に老犬になった際の病気につながるのです。
犬の口臭ケア、1番大事なのは歯磨き
歯石除去を行っても根本的な犬の口臭ケアにはならない。ということがお分かりいただけたら幸いです。
犬の口臭ケアで1番大事なのは【歯磨き】です!
犬の歯磨きはどれくらいの頻度で行えば良いの?
毎日するのが望ましいです!
下記でその理由をご紹介いたします。
歯についた食べかすから歯周病になるまでの過程は?
Q.なぜ【歯磨き】を毎日することが重要なのか。
食べかすが歯周病を引き起こすまでの過程①〜④を簡単にご紹介します!☆マークが重要なポイントです!
①歯に食べかすが付着します。
まず、食べたフードが歯に付着します。
☆愛犬のフードにはたくさんの種類がありますがポロポロとしたドライタイプのフードより、缶詰にのようなウェットタイプのフードの方がより歯に付着し止まりやすいです。気になる方は、ウェットフードからドライタイプのフードに変えることをお勧めします。
②24時間かけて歯についたフードの食べかす、唾液、細菌などが合わさって歯の表面で【歯垢】になります。
☆24時間かけて【歯垢】に変化していく。ということは【歯磨き】を毎日することが重要になってくるのです!!!当たり前ですが歯垢になる前、つまり、食べかすの状態の時に歯から取り除いてしまうのが1番簡単です。【歯垢】→【歯石】になるにつれてより歯から取り除くことが難しくなります。
歯石になるともはや【歯磨き】で落とすことは不可能でしょう。
③【歯垢】が生成されてから4〜8時間かけて石灰化し始め、2週間後に立派な【歯石】になります。
☆【歯垢】が石灰化したものが【歯石】です。【歯石】の表面は凸凹しておりフード(食べかす)が付きやすい状態になります。それによりますます、歯石は蓄積されていきます。
④歯石が出す【歯周病菌】は口内が炎症を起こします。これにより【歯周病】となのです。
☆歯肉の中に入った【歯周病菌】によって歯茎が炎症を起こしている状態を【歯肉炎】。骨まで炎症を起こしている状態(歯周病菌は骨を溶かします)を【歯周炎】と言います。
犬の口臭ケアの方法は?お医者さんを受診することです。
【歯周病】についてお話をしましたが、歯に茶色い歯石が蓄積さしている場合は、
お医者さんの受診が必要不可欠です。ぜひ!お医者さんを受診してください。
【歯周病】の治療はどのように行うの?
歯周病は【麻酔をしての大掛かりなお口清掃】が必要です。歯石除去については歯に蓄積した歯石を剥がす作業ですので無麻酔でも可能ですが、歯肉に入り込んだ歯周病菌を洗い流すためには器具を歯と歯肉の間に入れて掃除をするため無麻酔では不可能です。
ですので、麻酔をしてのお口清掃を行わなければなりません。
麻酔ができないワンコはどうするの?
歯に付着している歯石を除去する作業がメインになるでしょう。心臓病や高齢のわんこの場合は麻酔をしての治療ができないため歯肉内の清掃ができません。その場合にも最善のケア方法をお医者さんと相談してください。
体内の有害物質を排出
麻酔ができないワンコはどうしても口内の有害物質が体内に流れ込む危険性があります。その有害物質を体外に排出するためにおすすめしたいのが【ゼオライト】です。
【ゼオライト】とは?については別記事でご紹介してますのでご確認ください。→関連記事
【ゼオライト】に関して簡単にご説明しますと、
ゼオライトを含んだおやつを食べることでゼオライトが体内に入った有害物質を吸着し体外に排出してくれるということです。
このおやつは歯磨き後でも安心して食べさせることができるおやつです。
愛犬の歯磨きをしている方は共感していただけると思いますが、せっかく歯磨きしたのに愛犬がおやつを欲しがる。結局おやつをあげる→また歯磨きをする。
なんてことが筆者のお家ではしょっちゅうです。その点、こちらのおやつはゼオライトが歯石除去と有害物質の排出を促してくれるため、安心して歯磨き後にあげられます。
犬の口臭ケア。歯石を除去しても無駄
犬の口臭ケアにおいて【歯石除去】のみでは全く意味がありません。歯肉の中に歯周病菌が隠れているからです。歯石除去だけでは歯肉の中にいる菌を除去することはできません。
・犬の口臭の原因が歯に蓄積した歯石であること
・犬の口臭ケアにおいて【歯石除去】は全く解決策にならないこと
・【歯磨き】の重要性
がお分かり頂けたかと思います。
犬の口臭ケア 予防のためには歯磨きを
ペットの8割以上が【歯周病】に侵されています。
愛犬が小さい頃から歯磨きをしていれば簡単に防ぐことができたことです。【歯磨き】をしている犬としていない犬では寿命が全く違います。理由は、歯周病により体内へ有害物質が流れて行き、病気を引き起こすからです。
口臭のケアではなく歯のケアをお願いいたします!
犬の口臭ケアまとめ
犬がペットとして飼われる以前、野生の犬は【歯磨き】なんてもちろんしていません!ではなぜ歯磨きをしなくてよかったのか。なぜペットとして飼われている犬は歯磨きが必要なのか。
野生の犬は、獲物を捕らえそのまま喰らいます。骨までしゃぶるほどに。しゃぶるだけではありません。骨を砕いて食べるほどに顎が強い。野生の犬は骨まで喰らうことで歯磨きを気付かぬうちにしていたのです。
ペットとして飼われている現代の犬は人が作ったドックフードを食べています。ドックフードは人の手によって加工した食材、腐らないようにする防腐剤など色々なものが入っています。ウェットフードなど歯に付着しやすいフードもあります。そして歯磨きの役割を果たす骨は残念ながらありません。
これが野生の犬に歯磨きが必要なく、ペットの犬に歯磨きが必要な理由です。
今回は【犬の口臭ケア】についてご紹介しました。【歯磨き】の重要性を知っていただけたら幸いです。